院長の俵です。
最近健康診断や人間ドックのオプションでABC検診(胃がんリスク検診)をされる方が増えてきました。これはヘリコバクター・ピロリ菌の感染の有無と、胃粘膜の萎縮(いしゅく)の程度を判定して、将来の胃がんのリスクを判定する検査です。胃バリウム検査や内視鏡検査と異なり、血液検査で行います。ピロリ菌の抗体検査とペプシノーゲン検査でA・B・C・D群に判定します。
A群: ピロリ抗体陰性(ー) ペプシノーゲン陰性(ー)
B群: ピロリ抗体陽性(+) ペプシノーゲン陰性(ー)
C群: ピロリ抗体陽性(+) ペプシノーゲン陽性(+)
D群: ピロリ抗体陰性(ー) ペプシノーゲン陽性(+)
胃がんの発生頻度はA→B→C→Dの順に高くなります。
ABC検診は胃がんの精密検査ではありません。検診で簡便に行えるので、内視鏡検査が必要な方を拾い上げる事が出来ます。
ABC検診で異常を指摘された場合、内視鏡検査を行っていなければ、施行することが必要になります。その上でピロリ菌の感染を確認して除菌治療を行います。
ピロリ除菌されたあとも胃がんが発生しない訳ではありませんので、定期的(1年毎)に内視鏡検査をお勧めしています。
胃がんは早期発見でほとんどが治る病気です。日本は内視鏡治療がとても普及していますので、早期で発見されれば、従来の手術と異なりお腹に傷が残らない内視鏡治療も可能になるケースも増えてきました。
当院では毎日内視鏡検査は施行していますので、お気軽にご相談ください。